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川口市の近代建築・旧田中家住宅を見てきた その3(和館)

旧田中家住宅の最終回です。今回は昭和に入ってから建てられた和館と、庭園、茶室を取り上げます。

和館は1934年、庭園と茶室は1973年にできたものです。

和館2階

洋館の2階にある和室、次の間を通って和館へ抜けられます。

こちらは客間ですね。手前の座敷が8畳、奥の次の間が4畳です。

トラディショナルな和室。こちらの部屋でも多種多様な木材が使われているようです。

襖や地袋・天袋に描かれた絵も穏やかで良い。

奥には広縁があり、南向きの窓からはお庭を見下ろすことができました。

こちらの部屋は奥方が使っていたらしいです。

2階は以上なので、洋館と和館の途中にある階段から1階へ降ります。

なんだか鄙びた旅館みたい。

こちらは3階まで上がる赤い階段とは対象的な青い色が映えていました。

静と動、裏と表のように感じます。

和館1階

奥へ進んで和館の1階にある広い和室(日本間)へ。ここが和館最大の見所だと思います…!

奥から座敷(15畳)、次の間(12畳)、仏間(10畳)となっていて、多くのお客さんを招くための空間と言う感じです。

洋館側の仏間には仏壇が入っていたらしきスペースがありました。

この一角だけでも使われている素材が良いのだろうなと感じられます。

部屋の外、廊下にあるこちらは神棚でしょうか…?立派なつくりです。

ガラス越しに見える洋館のレンガもまた素敵で。。

奥の方には現役の手洗いが

この解放感といったら…!大きな広間があるとお屋敷に来たなあと感じられますね。

個人的に驚いたのが、次の間の地下に防空壕があって、部屋の内側にも外にも入り口が残っているということ。時期的に竣工してから後付けしたのでしょうか。。

また、こちらの日本間は貸室として使うこともできます。こんなに立派なお部屋ですからイベントで使うと映えそうですよね。

座敷はひときわ細やかさがあります。やはり木材も様々なものが豪華に使われていて、こだわりが感じられますね…!

電灯。ハートというより猪目でしょうか。

座敷の裏手には手洗いがあります。当時から現在まで同じ用途で使われているスペースです。

手洗いの手前にある欄間。この向こうが座敷です。

こちらの日本間は大人気のようで、休館が迫るこの時期は貸し切りのため使えない日が多かったです。

この日も午後から貸し切りとのことだったので早めに行ったのですが、この建物に来たのならこちらの部屋を見ないのはもったいない…と思いました。行けて良かった!

北側の窓から見える蔵

こちらは日本間から見えるお庭です。

この広い和室から庭園を眺めてのんびりしてみたいですよね…笑

勝手口・土間(洋館)

洋館を通って庭園と茶室のほうへ向かいます。

ここは日本間の近くにある脱衣所。五右衛門風呂があったようですね。

玄関の方へ進んで行くと台所があります。こちらはわりと近代的ですね~

向こうには勝手口があります。

この上の階には使用人部屋があるようですが、そちらは公開されていません。男女別で、それぞれに当時のポスターなどが残っているということが驚きですね。

これだけのお屋敷だと使用人もたくさんいたんでしょうね。

この上ですね。幅の狭い階段です。

庭園・茶室

玄関の横にある出入り口から庭園へ向かいます。良い引き戸にすりガラスです。。

南側。下が台所で上が使用人部屋でしょうか。

ちょうどお昼時なので、南に面した庭園に陽の光が差します。

こちらの庭園とこれから見にいく茶室は、味噌蔵の一部を取り壊して整備をしたとのことです。その頃は味噌の生産はほとんど行われていなかったそうです。

錦鯉が泳ぐ池の向こうにある茶室へ。離れって感じですね。こちらの建物は文化財にはなっていないみたいです。

入ってすぐの部屋はエントランスといった感じ。

こちらも日本間と同じく、貸室として使用することができます。

隣の区画には茶室がいくつかならんでいます。あまり茶室には縁が無いのですが、何部屋も使う茶会もあるのでしょうか。

茶室の一つ。炉がしまわれている小さな畳が見えますね。

ちなみに、この建物の建設の際には味噌蔵で使われていた建材を再利用したと言われているとか。

というわけで、旧田中家住宅を見てきた様子は以上となります。

レンガ造りの洋風建築と木造の和風建築、和室と洋室を同時に楽しめるとは、なんてぜいたくな…笑

やはりすべての部屋が見られるタイミングで見に行って良かったと思います。休館期間はけっこう長いようですが、好きな人にはぜひ見に行ってほしい建物でした。