日々のおでかけ記録

町並みや気になった場所の記録

誰もいない商業施設 三条市 パルム

新潟県三条市を歩いてきました。
ここに来るまで知らなかったのですが、三条の町中にある商店街のすぐそばに生きてる廃墟のような商業施設がありました。

訪問:2023年4月

再開発事業の名残

三条の商店街を歩いていると、端っこに大きな建物が見えてきます。
上部がマンションになっている商業施設、パルムです。

その足元に一帯の再開発事業の記念碑がありました。
昭和の終わりごろの話のようですね。

この再開発事業の核となるのが、これから見るパルムという商業施設だったようです。

記念碑のある広場にあるすごい色合いの謎オブジェ。
一度も塗りなおされていなさそうな塗装の劣化具合がこの事業のことをよく表しているような…

正面のほうへ回ってみます。
このパルムという施設は3棟の建物によって構成されていましたが、そのうちの一つは現存していません。
二階にある緑色の部分は、このパルム2と道路の向かいにあったパルム1を繋いでいた通路の名残です。

現在、パルム1の跡地には第四北越銀行があります。
パルム1はジャスコをキーテナントにして1988年にオープンしましたが、2001年に撤退。
その後パワーズフジミ(懐かしい名前…)やマルイといった地元スーパーが入りましたが、2010年に閉館となったようです。
かつてここに大きな(調べた限り5階まであった…?)商業施設があったとは…

パルム2の全景。
下の二階までが商業施設で、それより上はマンションとなっています。
こちらの棟だけ見ると商業施設といった感じはしませんね。

入り口。
店舗の一覧がありますが、塾がメインのテナントみたいになっている…

エレガントデパートメントストア。

ロゴも少し昔のデザインと感じられて、個人的に好きです。

こういうところでは外せない、定礎石。
大規模小売店舗を示すプレートにも時代を感じます。

パルム内部の様子

中へ入ってみました。
最初外から見たときは集合住宅の下に何かあるんだなあと思ったくらいでしたが、この様子を見て一気に興味がわきましたね。

一階の正面側で存在感を放っているおもちゃ屋

現役のお店なんだろうけど、貼ってあるポスターは懐かしいものも多いです。
子供の頃の自分だったら大喜びで入っていったことでしょう。

奥のほうは空き部屋が目立ちます。
もちろんちゃんとしたテナントも入っていますが、どうしてもこっちに目が行ってしまう…

階段の下にあるベンチと時計。
時計のほうはからくりが仕込まれているようです。

階段で二階、ファッションのフロアへ上がってみます。
エスカレーターは一時的に修理でもしているのか、それともしばらくこの状態なのか…

一階にいるときから感じていた、しーんとした雰囲気で予想はしていましたが、誰もいません。
どこかに置いてあるラジオの音だけが響いていました。

それでもここはれっきとした専門店街なんだなあと思わせる。
できた当時は人が行き交っていたのでしょうか。

こちらがかつてパルム1との間を繋いでいたデッキの跡。
最初から行き止まりだったかのようです。

近くにあったパルムの全体像。
最後のキーテナントであったマルイが入っているパルム1が残ったままです。
10年以上放置されているということですね…

反対側へ向かうと、パルム3への連絡通路があります。
そちらの棟は一階にお店が入っているくらいで、ほとんど立体駐車場です。

通路を渡って立体駐車場側へ。
カート置き場らしき物が残っていますね。
ここからカートを押してパルム1まで行ったりもしていたのでしょう。

意外と大きい五階建て

連絡通路の片隅に、とても古い案内板が置いてありました!

駐車場無料特約店の案内で、ここにはジャスコの名前も残っています。
パルムの各店舗と商店街のお店で駐車場無料サービスが受けられたのですね。

階段を下りて外へ出てみる。
一階の隅のほうにお店が入っているのがわかります。
ここを進むと一の木戸商店街になります。

降りたところにあった看板。
ジャスコの文字が雑に目隠しされています。2001年からこの状態ということ…

連絡通路の下にはマンションの駐輪場がありました。
住民については心配する必要なさそうな感じがあったので、この建物自体が無くなるのはまだ先でしょう。

土曜の夕方、人とはほとんど出会いませんでした。
かつて明るい廃墟と呼ばれつつも近年賑わいを取り戻したピエリ守山のようになったらおもしろいのですが。
※今回はケンオー・ドットコムというサイトが大変参考になりました。
ネットが今ほど広まっていない時期の話題もしっかり載っているので、中越地域のことを調べるときには重宝しています。