日々のおでかけ記録

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新潟市の地下街・西堀ローサを歩いた

新潟市中央区の繁華街、古町には西堀ローサという地下街があります。
開業したのは1976年で、バブル期にピークを迎えた後は業績が低迷し、最近はその存在が危ぶまれています。
つい先日、運営会社の解散とテナントの退去が要請されたと報じられ、このまま終わってしまうのか…と考えてしまいます。

訪問:2023年12月

7th Avenue

跡地には150mのタワーが建つ予定

運営会社解散が報じられて2週間ほど経った12月上旬の古町。
2020年に閉店した新潟三越の建物が一等地の交差点に残っています。

そのはす向かいには2010年まで大和新潟店がありましたが、現在は市役所や大学などが入る古町ルフルが建っています。
その一角に、地下へ降りる立派な階段があります。ここから西堀ローサに入って行きます。

入ってすぐにある石の展示。
西堀ローサの"西堀"とは文字通りの堀で、1964年まで地上には水が流れる堀が存在していました。
この石は工事で発掘された護岸の一部だそうです。

古町ルフルのあたりが西堀ローサの中心部ですが、まずは北から見ていきます。
端にはトイレがありますが、その真ん中にあるスペースは…?

この時はイベント用の器具が置かれていましたが、これは公衆電話のスペースだったのではないかと思います。それか自販機かな?

右側にある佐渡の食材を扱うレストラン、おすすめ

端っこから南側を見通す。
長さは330mほどありますが、ガラガラというほど人がいないわけではありませんね。

とはいえ、シャッター商店街のようになっている区画もあります。
一方で、空きスペースを使って自分のお店を開くことを後押しするような施策も行っているようです。

中央部から北側は7thアベニューと呼ばれています

西堀ローサの地図。こう見ると出入り口がたくさんあるということがわかります。

中央部へやってきました。
ここは西堀通り柾谷小路という二つの大通りが交わる古町の中心部の地下にあたります。

中央部にある広場に行く前に、手前にあった公衆電話の跡地。
ケーブルが出入りしていたであろう部分がふさがれています。
レンガ調で雰囲気がありますが、階段は何かの水が漏れているのか、流れができていました。
今年で47年目という年月が感じられます。

出逢いの広場

ここから大きな見どころであるローサ出逢いの広場を見ていきます。

地下街の中心に位置するこの広場ですが、デザインがおもしろい!
たぶん今何かの施設を造ったとしてもこのような雰囲気にはならないでしょう。
ドーム状の天井に這っていくツタに、床はチェッカー柄です。
自分が幼い頃は、チェッカーになっているあたりが泉のようになっていて噴水なんかもあったなと記憶しています。


ドーム状になっている天井の中央にはなんとも高貴そうなタイル画が配されています。
いったいどういうコンセプトだったのか…こういう時代だったのでしょう。

たぶんこれは噴水があった頃の名残でしょう。

柱や天井にあるタイル画は「バラと少女のタイル画」という題名。
なんとイタリアで製作されたそうです。本格的。。

ROSAの文字が堂々と掲げられています。
この先でNEXT21と直結しています。
NEXT21はかつてラフォーレ原宿が入居していた高層ビルで、今は新潟市中央区役所が入っています。

壁際にはバスの時刻表が表示されるモニター。待合室としても使われているのかも。
バスの一部はBRTと呼ばれていますが、BRTもバスも変わらないのでは…と多くの市民が思っていることでしょう。
このBRTという名称も廃止が検討されているようです。

定礎石もありました。
冒頭でも触れた、解散する運営会社はここに名前がある新潟地下開発株式会社新潟市の三セクです。

6th Avenue

ここから後半、6thアベニューへ入ります。
ちなみに西堀ローサの区画の名前は、ここの住所が西堀前通6番町、7番町であることが由来となっています。

7thアベニューと同じく、写真を撮る場所によってはシャッター街のように見えてしまいます。
空いているお店はアパレルが多いですね。

少し進んだところにあるこのシャッターは…と思いましたが、位置的に新潟三越への連絡口でしょうね。
三越と大和とラフォーレに繋がっていたとはすごいことですが、全て撤退してしまったということが悲しいですね。

もうすぐローサ歩きも終了です。
この先、端っこにあるレコード屋さんには高校生の頃から寄っていました。

そのレコード屋のあたりから。
ここまで歩いてきましたが、やはり個人的には全体的に好きな雰囲気です。
これが無くなってしまうのは惜しいなあ。。。

地上へ出ました。
ビルや施設に直結するところ以外の出入り口はだいたいこのような感じです。
一身上の都合でもうすぐ新潟を離れるので、次に来るときはどうなっているかわからないと思い、歩き通してみましたが、やはり行っておいてよかったですね。
最後にレコード屋でレコードを一枚買い、西堀ローサを後にしました。

古町の衰退は長い間叫ばれていますが、そう言われているのも少しわかったような気がします。
商業施設が撤退して代わりに行政が進出していますが、やはり市を代表する繁華街として一層人が来るような場所になってほしいですよね…まあ私の世代は栄えていた頃の古町を知らないのでいまいち想像できないのですが(親や上司から話を聞くくらい)
市も、新潟駅から古町までを「にいがた2キロ」として力を入れていますが、2キロは少し長いし、万代まで歩くのは余裕でも、そこから古町まではあまり寄るような店もないのでそれがきついなと感じます。
バスも思ったより高いし、これでは若者は万代で止まってしまうと思います。
10年ほど前、私が新潟島内の高校に通っていた頃は、三年通して古町で遊んだのは一回だけで(今は無き大竹座ビルでボウリングを…)あとは新潟駅前がメインでしたね。
とはいえ、古町はいいお店もたくさんありますし、全く寂れているとも感じません。
また、三越の跡地にオフィスと商業施設と住居を合わせた高層ビルが建つということなので、そこに期待したいですね。
できればローサもそれが完成するまでもってほしかったのですが…