日々のおでかけ記録

町並みや気になった場所の記録

潰れた建物とサイロが残る 鳥甲牧場跡

GoogleMapを見ていて、"∴"で表される史跡等の施設があるとつい詳細を見てしまいます。
今回の廃牧場もそれで見つけたものですが、牧場の廃墟という存在に惹かれて現地へ行ってしまいました。

訪問:2023年11月

鳥甲牧場

お目当ての牧場は長野県栄村にありますが、新潟県側からアプローチしました。
秘境として名高い秋山郷の細い山道を抜け、不安になりながら山を登ると開けた場所に出ました。

緑色の大きなタワーサイロが目立つ、ここが鳥甲牧場跡地です。
昭和57年畜産総合対策事業 農業組合法人小滝肉用牛生産組合という文字が入っているので、これはだいたい40年ほど前のものらしい。
CRIONというメーカー(おそらく)については検索しても出てきませんでした。

国土地理院撮影の空中写真を加工して作成
(1977年撮影)

過去の航空写真を見ると、最も古い1947年の写真には姿が見えず(見落としているかもしれませんが)、次の1971年の写真には写っていました。
山奥だから撮る頻度が少ないのでしょうが、開業した年代はわかりませんね…
上の写真は写りが良かったので切り出してみましたが、その後最新の2005年の写真でも廃業はしていないように見えました。
開業/廃業年はわからないものでしょうか……

とりあえず横道に入ってみます。
この牧場がいつ廃止されたのかはわかりませんでしたが、建物はボロボロ、そのまわりは荒地、さらにこの外側は畑になっています。

この近辺にいくつかあった建物のうち生き残っているもの。
牧場には詳しくないのですが、牛舎か倉庫だったのでしょうか。

その奥にあった建物は崩落しています。あえて破壊したようにも見えるかも。

道路沿いには用途がわからない物が置いてありました。
この奥、かつて放し飼いをしていたと思われる場所は畑になっているみたいですね。

奥から牧場の施設群を見る。
廃墟と化した建物とサイロが見えますが、手前は今でも何かの作業をしていそうな雰囲気もありますね。

標高1000mを超える場所ですから、建築物には厳しい環境だと思います。
風が吹き抜ける音がしました。

中央にある道を通って二本目の横道へ向かいます。
サイロ、つぶれた建物、ボロボロで背が高い建物。

先ほどの建物が見えます。
このサイロの両側に二つの建物が並行して建っていたようですが、廃材の山と化していました。

道路を挟んで反対側にもう一本のタワーサイロが立っています。
道路沿いなので、間近で見ることができる。
こちらは一年遅く造られたのでしょうか。

その隣にはかつての建物だった残骸。
この奥に畑があり、地元の方が作業をしていました。
怖がりなもので、誰もいなかったら荒涼とした雰囲気と熊に怯えてここまでゆっくり歩けなかったかもしれません。

牧場の建物群の南端から。
コンクリートブロックで造られた背の高い建物は比較的よく残っていますね。

二本目の横道へ入ります。
倉庫みたいな建物が並ぶ。タイヤの跡がありますね。

崩壊途中といった感じの建物。落ちたと思われる窓枠が立てかけてあります。
電気が通っていたようで、ちゃんと電線が繋がっていますね。

人が使っていた雰囲気はあります。
二階建てみたいですが、床が抜けていてもおかしくなさそう。

このあたりの建物は、倉庫というより事務所のような雰囲気があるように感じました。
当時の様子がとても気になります…!

こちらは倉庫か車庫のように見えますね。
封印されてから何年経っているのでしょう。。

模様入りガラス

道の奥から。こちらにもつぶれた建物がありますね。
今ある建物もいつ無くなるかわからないよなあと思いながら眺めていました。

一通り見終わったので、少し離れたところから全体を見渡す。
山の上(中腹?)に広がる平地に、牧場の建物と今では畑になった周囲の様子を望む。
この高地にあってこんなに開けた土地があるのは、かつてここが湖だったからのようです。
( https://naeba-geo.org/torikabuto_bokujo )
このあたりはジオパークになっていて、トレッキングコースもあるみたいですね。
いつまでこの風景が見られるのでしょうか。

おまけ 五宝木トンネル

牧場へ向かう途中に、五宝木トンネルというトンネルがあります。
こちらは牧場側。

初めての体験だったのですが、こちらは明かりが一切無い、無灯トンネルでした。
1000mを超える長いトンネルで微妙にカーブがあるために先も見えず、なかなか怖かった…笑